作品から子どもの心をひも解いてゆく…

色は心の言葉。そして、作品には作り手の内面を探る

ヒントが隠れています。

 

今回は小学6年生のお子さんが描いた絵で、印象的だった作品をご紹介。

 

アトリエに到着早々、木工工作に取りくみ作品を完成させた後、絵具と画用紙を取り出して取りくんだ作品が画像の絵。

 

多色で描かれた「生」と「死」の文字。

 

普段はあまり多色を使わず、ダイナミックな創作や工作をするお子さんですが、この日はパレットにたくさんの色を並べて、書を書くような筆使いで、集中して丁寧に書いていました。

いつもと違う様子でした。

 

小学校高学年になって思春期に入ってくると、子どもたちは進学のこと、

将来のこと、大人になるということ、生きる意味、死について… 考えるようになります。

あまり話さない子も、無意識にいろいろなことを内観しています。

この作品は、子どもの無意識にある死生観が表れたのかもしれません。

バランスのとれた構図、はっきりしたタッチと色、

子どもの内面の世界がひろがっていることを表した作品。

 

余談ですが、この作品は、私の父が他界して間もないときに描かれた絵で、

心に響いたのと同時に子どもの内観の凄さに、驚きと感動をおぼえました。

 

この半年で、次から次へと身近な人が天国へ旅立ち、

別れが続いているのですが、どの別れにも意味があるということ、

そして、旅立った人が死を通して大事なメッセージを残してくれている、

そんな学びがありました。

 

「散る桜、残る桜も、散る桜」

 

この詩は、お正月明けに旅立ったおばの葬儀で、

ご住職が詠んでくださった詩。

残った命も、必ずいつか散る命。

ただ、それがいつなのかは誰にもわからない。

生きるとは死と向き合うこと。

そして、死は生きる意味を教えてくれるもの。

生と死は、切り離すことができない表裏そのものだと、

ご住職が話されました。

 

11歳のお子さんが描いた「生」と「死」の絵に、

ご住職が伝えたかったことが表れているように思いませんか?

子どもたちの感受性にただただ驚くばかりです。